梅干しは、日本古来の保存食でもあります。戦国時代には、兵士たちの疲労回復に使用されたり、食中毒や伝染病予防などにも使用されてきたようです。梅干しの塩分濃度は18~20%が保存には適していると言われていますが、かなりの塩分濃度でもあります。
漢方では、梅干しを使って頭痛などを和らげてもいたようです。現在でも、多くの梅を使用した健康食品が流通していますが、先日、冬虫夏草入りの梅ジュースや、ニンジンジュースと梅ジュースを割ったものなど、様々な梅を加工した商品が出回っているようです。
青梅の果肉や種には、毒性があるので食べてはいけないのだと幼い頃に習いましたが、梅干しや梅ジュース、梅酒などに加工する事で、無毒になるそうです。漢方では、青梅を燻製にし、乾燥させたものを咳どめなどとして利用していたようです。
最近は、民家の軒下で、梅を干すような風景はみられなくなってきましたが、スーパーフードとして、梅の加工品は、民間レベルで消滅して欲しくないところが筆者の願いでもあります。
梅干しは、その家庭ごとに漬ける人々の好みがあるので、よそのお宅の梅干しを頂くと、その味わいや風味の違いに新鮮な気持ちにもなりましたが、最近は、店頭に並ぶ小奇麗な商品としての梅干しか知らない若い世代が、増えてきているようで、家庭の味が、伝承されていかない事に寂しさを感じてもいます。